2012年2月29日水曜日

Chinese Food Lovers in Tokyo #7 : Hunan! 第7回熱中賞の会!湖南省 湖南料理!

第7回を迎えた熱中賞の会。今回の舞台は毛沢東の出身地である湖南。湖南料理は中国8大料理の一つに数えられており、四川、山東、浙江とそれらを制覇してきた我ら熱中賞の会が来るべきして、来た名菜の地であると言える。

一品目「豚マメのピリから前菜」。豚の腎臓であるマメの淡白ながら独特な風味に辛さをぶつけている。辛い料理で四川と双璧をなす湖南料理らしい前菜だ。何故か熱中賞の会で食される前菜は内臓系が多いが、その訳は追々…。
蟹を食べると人は無口になるというが、鶏を食べても同じこと。何故って、無口になるほど美味しいからが表向きの理由。でも実際は殻や骨から身を外すのに必死で話す余裕が無いから。
それでも余裕で話してません?この人たち…何故って…骨を外してもらっているから。
そうこれが無口になるスープ「鶏肉と豚足の薬膳スープ」。丸鶏と豚足のコラボレーションで不味いはずがない。出汁のパンチがあるからこそ、薬膳にしても美味しさを損なわない。またいつか食べたくなる思い出の味をかもし出している。
                              完食。
店内に貼られた毛沢東のポスター。かなりの大きさだが、それが気にならないところに、この店の懐の深さを感じる。そう、かの貴ノ浪もビックリな程…。

「ラム肉のクミン味炒め」。湖南料理でよく用いられる小炒(強火で手早く炒めあげる調理法)によって、ラムの旨みが上手く閉じ込められている。
「魚のピリから仕立て」。ピリからというほど、ピリからでもなく、見た目ほど激辛でもない。
「もち米巻き肉団子」。口の中でハラリとほぐれるその食感が乙。湖南料理は辛さだけではないことを感じさせる一品。
「マコモダケの炒め」。マコモダケはイネ科の植物マコモの茎に黒穂菌が寄生し、肥大化したもの。竹の子のような食感とアスパラガスのような味わいをもつ中国ではポピュラーな野菜だ。
自家製ラー油(湖南風)。辛さの中に旨みあり…そんな湖南料理の味わいを集約したかのような調味料だ。

2011年12月5日月曜日

Chinese Food Lovers in Tokyo #6& Year End Party: Xi'an! 第6回熱中賞の会!陝西省西安料理!

第6回目を迎えた熱中賞の会。今回の舞台は西安料理を扱うXI’AN。西安は陝西省の省都であり、古称は長安。かつて諸王朝が築かれた都である。西方からのウイグル料理、南方からの四川料理、東方からの山西麺料理の流れを汲んでおり、西安は歴史的観点からのみならず、中国食文化を語る上でも重要な位置を占めている。

豚ガツのマーラーソース。四川料理もマーラーの味付けが多いが、西安料理の特徴は唐辛子のヒリヒリする辛さであるラーより、山椒の痺れるような辛さマーが効いている点。豚の胃であるガツの旨みがよく引き立っている。

また出た!カワマンタだ!!!(←第5回ブログ参照)

違います。これは小龍包です。しかも山椒のマーが効いた西安風です。

ソフトシェルクラブの山椒揚げ。要するに脱皮したての蟹さんだね。脱皮したての時期は自然界でも外敵に襲われやすいが、まさか人間に食べられるとはね。敵は本能寺だね。

蟹を食べると無口になるというが、それでも喋る熱中賞会員。喋るのも、食べるのも、飲むのも大好。…人間だもの。



男の子も千切って。
女の子も千切る。

えっ、何で千切ってるかって。

それは確かめて、見つけた貴方にだけ分かる素敵なサムシング!Come on!



豚白モツの唐辛子炒め。丸の唐辛子を炒めることで、唐辛子の辛さだけでなく香ばしさを加えるフーラーという調理法。西安料理が四川料理の流れを汲んでいることを覗わせる一品。

豚肉の味噌蒸し、蒸しパン添え。西安は中国の北方のため、基本は粉食文化圏。朝ご飯の定番がこの蒸しパン=マントウと味噌味の豚肉の組み合わせ。家庭では細かく切った肉を使うが、これは豚の角煮を使った屋台風。

ラムとトマトのエスニック炒め。シルクロードを通じてやってきたトルコ料理ですね、これは。にんにくのパンチが効いた味付け。

串焼きラムのズーラン風味。ズーラン=クミンをこれでもか!と効かせたウイグル風味付け。西安の街の一角にムスリム街があるが、その店頭では細い金串に差したこの料理がそこかしこと売られている。

西安宮廷料理フールーチー。豆腐の醗酵調味料である腐乳(フールー)で味付けした鶏(ジー)なのではないかと推測されるが詳細は企業秘密。腿肉の部分は特に美味。胸肉を食した皆さんごめんなさい。

トウミョウで一休み。(←左記のキャッチコピーは日本コカコーラ社に正式な許可を得た上で使用しています。)



西安風サンラー麺。山西省発祥の刀削麺を使って、味付けは酸味と山椒のマーが効いた西安風。やっぱり〆は麺に限る。バラエティに富んだ西安料理に一同お腹も舌も心も大満足。

2011年10月24日月曜日

#5 Mtg Xinjiang Uyghur Autonomous Region

第5回 遥かなるシルクロード ウイグル料理
(新疆ウイグル自治区)
Oct. 19, 2011.
<<CFLT does not represent any political claim on Xinjiang Uyghur Autonomous Region. However, we certainly appreciate the diversity of culture, race, and food as well as the dignity and the human rights of indigenous people. 熱中賞の会は、ウイグル自治区に関する如何なる政治的意思を持ち合わせません。しかしながら、我々は、文化、人種、食の多様性、そして、原住民の尊厳と人権について尊重することは確かです。>>
1周年を迎えた熱中賞の会。第1回目、雲南省というややマイナーな地域から出発した我々が一周年記念に選んだのは新疆ウイグル自治区の料理を扱う「シルクロードタリムウイグルレストラン」。中国各地方の料理を点として結んでいき、面としての中国料理を捉えるという我々の目的を再確認するような選択となった。
一皿目はピントザ・ハミセイ(春雨と人参のサラダ)。サラダとは言うものの一旦炒めてある。油分と香酢の組み合わせが、初めて食したにもかかわらず不思議と現地っぽさを感じさせる。

ランプン(ウイグル風クズキリ)。日本のクズキリは黄粉と黒蜜が定番だが、ここではご覧の通り辛味と酸味を利かせた味付けに。刺激のある調味料の中から、ウイグル風クズキリの素朴さがひっそり顔を出すような味だ。(←どんな味だ!)
ウイグルでは先祖崇拝の習慣があり、この店も例に漏れず、今は無きオーナー:クリス氏の写真が店の中央に掲示されている。(←この文章はフィクションです。)
シシカワプ(羊の串焼き)。ケバブとかカバブとかカワプとか…国によって呼び名は微妙に異なるこの料理。香の強い羊がスパイスの香りをどっしりと受け止める。柏戸‐大鵬、がっぷり四つで組んだ!


イケメン店長のスラジディンケリム氏。シルクロード時代より厳しい砂漠環境で生きる人々の活力源として用いられてきた砂漠人参=カンカ。その効能について熱く語る。「これを煎じてお茶にしていたお爺さん100歳にして6人の子を…」。男性陣の目はもうカンカに釘付け。
シェフのグプルジャン氏。中国国家労働社会保障部認定の調理師資格と甘いスマイルを持ち合わせた凄腕のシェフだ。
トホカワプ(ウイグル風焼き鳥)。羊に比べ鶏の方が味が淡白な分、スパイスの香がダイレクトに感じられる。上手投げ~上手投げで朝青龍。
餃子か、小龍包か、いやカワマンタだ!中身は意外にもカボチャ。そしてそのカボチャの甘味をスパイスが引き立てているのもこれまた意外。そして何とこれが上海に伝わり小龍包になったとか…。
べレンゲコルミス(じゃがいもの細切り酢炒め)。中国のどの地方でも食されているじゃがいもの細切り炒め。ウイグルにもありました…そんな感じです。


ダーン!ダーン!ダーン!…ラグメンは世界一激しい手打ち麺だと思います。どのくらいか分からないって?それは見て聴いて確かめてよ。

笑顔で自家製のカンカリキュールを注ぐスラジディンケリム氏。今夜は眠れぬ夜になりそうな予感。
スユックアシ(ウイグル風タンメン)。タンメンと名乗りながらも短く千切られた麺の入ったスープといった感じ。サンラー湯にも南インド料理のラッサムにも味が似ている。



〆のデザートはケティク(ヨーグルト)。棗やレーズン、胡桃などがトッピングされ、見た目も可愛い。そして何より盛り付けをしてくれた3人の留学生のお姉さんが……少々カンカが回ってきたようだ…。